Cocoons and Psychology
撒かれた場所と心理学
ただの羊飼いの子から、神託により王子として養子に迎えられた少年は、まず教養とこの世の奥義を識るために学校に入学させられた。
魔述やイデアを識ることは、為政者のコモンセンスだったから、
彼の養父が学園を頼ったことは理解しやすい。
また石動の場合は王位を継ぐために、早く成長するようせっつかれている事情があった。
座学は彼の肌に合わなかったが、論戦はとにかく身に合った。
容姿のために誤解されがちだが、彼の入学は平均年齢より遅い。
そのため”小さい”と言われたり侮られたりするのに、大きな抵抗感がある。
この先は物語の未来の話。
石動ヒデトは4人の中で唯一、学校を辞さなかった。
充分な知識を得た彼はしかし、秘密結社に所属することなく彼の歴史に戻っていった。
秘密結社に所属することは歴史書から消えることであり、逆説的にに彼の活躍は、多くの書物に見られるだろう。
そしてプシケイとなり、やがてイデアとなる。
【屠竜剣】のイデアの黄金期を作った彼が次世代に選んだのは、亡国の王子にして軍人・ゲオルギウスだった。