招待状

秘密結社からの招待状 および挑戦状

ある日あなたのもとへ、秘密結社から招待状と鍵が届く。
導かれるままに魔述で開いた扉の先は、夜の明けぬ館だった。
無感情なメイドが伝える。
2つの課題に挑むように。
勿論あなたはこの申し出から、いつでも窓を閉じて遠ざかることができる。
同様ににあなたが諦めない限りは、物語はけして終わらない。

招待状と挑戦状

ご主人様
招待状を、どうかけして手元からお離しにならないでください
そしていつか……しかるべき時のために
あなただけの鍵をお持ちください

月曜日だった少女

2つの挑戦状の1つ。

あなたには罪を犯した少女を尋問してもらいます。
彼女が関わった、全寮制の学校で起きた1週間にわたる連続怪死。
けれど、それを追っていくうちに気付くことでしょう。
本当に奇怪なのは、人死にではなくこの学校に施された幾多の謎とからくり。
芋虫の形の神から魔述を借り受け、それを行使する生徒たちの正義は
善悪の彼岸から遠く離れ、異次元の価値観を象っている。

1つの思想の転換と墜落を、彼女の目を通して眺めてください。
そして願わくば、全ての魂が救われんことを。

ツァリーツァ、孤島、研究所にて

2つの挑戦状の1つ。

あなたにはある人物のロールプレイをしてもらいます。
その人物になりかわって、類推を積み重ねるのです。
目を閉じて、安楽椅子に座って。ここは、孤島の研究所です。
危険な病原菌を裡に抱えた先端の施設でも、人は天使を守りとしておかずにはいられない。

金の羽を広げた像に見守られた実験の場に、遠い異国から留学生がやって来ます。
誰よりも孤独な”あなた”と、もしかしたら心を通わせられる存在。
あなたの怒りっぽい傾向を、彼女は受け入れてくれるでしょうか。
それとも誰かの心が折れる音を聞くのが、先でしょうか。

ロンドンへのお誘い

2つの挑戦を退けたご主人様に、お願いがあります。
どうか私と、ロンドンへ行ってくれないでしょうか。
解かれずじまいだった謎。切り裂きジャック事件。
ある魔述師から引き剥がした過去を垣間見る魔述で
拾い集め、具現化させ、真相を顕わにしてください。

この館を離れるのは不安ですが、あなたとなら、きっと。

……ところで

【窓】さえ閉じれば 無事に逃げられるとでも?

  • 構成

    空館ソウ

  • 文章

    九城エリオ

  • イラスト

    雪灯